むくみといえば、顔や脚に起こりやすいイメージがあるのではないでしょうか? しかし実は、腸もむくむことがあるです。では、腸がむくんだ状態になるとどういったデメリットがあるのでしょうか? 今回はむくみ腸の原因や解消方法を、あんしん漢方のヨガインストラクター、高橋かなこさんに伺いました。
知っておきたい「むくみ腸」とは?
むくみ腸とは、腸管の血流が悪くなり腸へ水分がうまく配分されなくなることで、腸の動きが鈍くなってしまうことを指します。腸がむくんだ状態になると、さまざまな症状を引き起こすことがあるのです。
むくみ腸の症状
むくみ腸の主な症状としては、便秘・おなかの張りなどが挙げられます。
また、からだの免疫細胞が多い腸の環境が悪化すると、腸の病気や生活習慣病、肌荒れなどさまざまな症状につながります。
むくみ腸になりやすい体質
代謝が低い方は腸の動きも鈍くなるといわれています。また、普段の生活でストレスを感じやすい方も、自律神経の乱れにより腸内の水分バランスに影響が出ることもあるので注意しましょう。
むくみ腸になる生活習慣
むくみ腸を引き起こす生活習慣として、主に挙げられるのは下記です。
・運動不足:からだを動かさないと腸も活発に動きません。また、長時間のデスクワークなどで姿勢が悪くなることもむくみ腸の原因になることがあります。
・食生活の乱れ:顔や手などのむくみと同様に、栄養バランスの偏った(とくに塩分の高いものや糖質の多いもの)食事はむくみ腸の原因になる可能性があります。
・ストレスの多い生活:大きなストレスを感じると、自律神経が乱れて腸内環境にも影響が出る場合があります。
むくみ腸へのアプローチ方法3つ
それでは、むくみ腸への具体的なアプローチ方法をみていきましょう。
カリウムを摂取する
カリウムには体内の水分や塩分(ナトリウム)を、体外に排出する働きがあります。多くの食品に含まれており、加工食品よりも生鮮食品の方が効率的に摂取できます。
発酵食品を摂取する
「腸活といえば発酵食品」と思われる方も多いのではないでしょうか。発酵食品には腸内環境を整える働きがあります。ヨーグルトや納豆、漬物などを、日々の食事に積極的に取り入れていきましょう。
からだを温める飲み物を飲む
むくみにとって、からだの冷えは大敵です。からだを温めることにより血流がよくなり、体内の水分をうまく排出してくれるので、むくみ腸対策におすすめです。
むくみ腸に効くストレッチ2選
さて、ここからはむくみ腸におすすめのストレッチをご紹介します。ヨガのポーズを取り入れたストレッチです。是非テレビを観ながら、家族とおしゃべりしながら、気軽にやってみてくださいね。
座ったままできる「片脚ねじりのポーズ」
ストレッチの方法
1. 脚を伸ばして座る。
2. 右脚のひざを曲げ左腕でかかえる。右足裏は左脚をまたいで床につける。
3. 右手はお椀型にしてお尻の後ろにつき、息を吐きながら上半身をねじる。
(反対も同様におこないます)
腰が曲がる場合は、伸ばしているひざを曲げましょう。ねじりのポーズはむくみ腸にアプローチできるものが多いですよ。
うつ伏せ姿勢で「スフィンクスのポーズ」
ストレッチの方法
1. うつ伏せになり、脚は肩幅に開く。つま先は寝かせる。
2. 手のひらとひじで床を押しながら上半身を持ち上げる。
肩の下にひじが来るように調節し、余裕があればお尻を左右に動かして腸を刺激してみましょう。
漢方で「むくみ腸」にアプローチする
便秘やおなかの張りの改善には漢方薬もおすすめです。
冷えやストレスは腸の働きを低下させて、便秘やおなかの張りの原因となります。また、腸にこもった過剰な熱や水分不足は便を硬く乾燥させるため、便秘を引き起こします。
便秘やおなかの張りの改善には、「低下した腸の働きを回復させる」「おなかを温める」「自律神経を整える」などの腸の動きを直接的に改善する作用、「腸の熱をさます」「便の水分バランスを整える」などの自然な排便を促す作用をもつ生薬を含む漢方薬を選びます。
腸の働きをよくしたり自然な排便を促したりすることによって、からだの中の毒素や老廃物を排出することができます。
腸の働きがよくなると、代謝も高められ、太りにくく痩せやすいからだを手に入れることもできるでしょう。
便秘やおなかの張りにおすすめの漢方薬
・大建中湯 (だいけんちゅうとう)
おなかを温めて、便秘や下痢、おなかの張りに働きかける漢方薬です。おなかが冷えて胃腸の働きが弱っている方におすすめです。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
腸の熱をさますことで、便秘に働きかける漢方薬です。肩が凝り、疲れやすく、精神不安などの症状がある方におすすめです。
漢方薬を服用するときに大切なことは、自分のからだにあったものを選択することです。
からだにあっていない漢方薬を選んだり、間違った組み合わせで服用したりしてしまうと、効果が薄まったり副作用が生じたりする可能性が高まってしまいます。
必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して、選択しましょう。
むくみ腸を解消して、脱!ぽっこりおなか
普段腸のむくみはあまり意識していないものですが、実は便秘などの不調とも深い関わりがあります。
忙しい日々のなかでも食事の見直しやストレッチ、漢方などを少しでも生活に取り入れて、むくみ知らずの腸を保ちましょう。